税理士の科目合格は、専門職としてのキャリアを築く上で大きな一歩です。
しかし、科目合格の成果を履歴書に書いていいのか、迷っている方もいるかもしれません。
本記事では、税理士試験の科目合格を履歴書にどのように記載すべきか、科目合格が職務経歴書にどのような影響を与えるのかについて、例文を交えてご紹介します。
これから職を探す科目合格者の方々にとって、自身の専門性を最大限にアピールするための参考になるでしょう。
税理士科目合格は履歴書に書く?
履歴書は経歴や能力を示す大切な書類ですが、税理士の科目合格は、履歴書に記載することを強くおすすめします。
ここでは、その理由にお答えします。
科目合格の価値
税理士試験は、非常に高度な専門知識が要求される試験です。
そのため、一つでも科目に合格することは、専門性と努力を示す大きな証となります。
科目合格を履歴書に記載することで、就職先に対し専門的な業務への適応能力をアピールできます。
合格が与える影響
科目合格を履歴書に記載することで、専門知識だけでなく、目標達成のための努力や持続性も示すことができます。
努力や持続性は、どのような職場においても評価される大切な能力です。
また、税理士試験の学習を通じて得られた分析力や問題解決能力も、多くの業務で役立つでしょう。
税理士科目合格者の履歴書の書き方
ここでは、税理士の科目合格をどのように記載すれば良いのか、その具体的な方法を解説します。
基本情報、学歴・職歴
まず、履歴書の基本情報である氏名、住所、連絡先と学歴・職歴を明確に書きます。
ここはどの履歴書にも共通する部分ですが、正確さが求められるため、間違いのないようにします。
資格・免許
履歴書には「資格・免許」の欄がありますので、税理士試験で合格した科目を記載しましょう。
例えば「2023年6月 税理士試験 法人税法合格」と具体的に書くことで、専門知識が伝わります。
科目ごとに合格年月を記載することで、学習への取り組みや成長の過程を示すことができます。
自己PR
自己PR欄では、税理士試験の科目合格がどのようなスキルや経験をもたらしたのかをアピールします。
例えば、緻密な分析力や豊富な専門知識、長期間の勉強を続けることで培った忍耐力などです。
これらのスキルが将来の仕事にどのように役立つかを具体的な例を交えて記述すると、説得力が増します。
志望動機
志望動機欄は、なぜその職場を選んだのか、税理士試験の科目合格がどのように役立つかを伝えます。
例えば、法人税法合格者なら、その知識で企業の税務計画を支援したいといった具体的なアピールが効果的です。
応募先企業の活動内容を理解し、自身の専門知識がどのように貢献できるかを考えて記述しましょう。
サンプル
以下のサンプルは、履歴書の一例です。
【基本情報】
氏名:山田 太郎(やまだ たろう)
生年月日:1990年4月2日
住所:東京都新宿区西新宿1-1-1
電話番号:090-1234-5678
メールアドレス:taro.yamada@example.com
【学歴・職歴】
学歴
2012年3月 東京大阪大学 経済学部 卒業
職歴
2012年4月〜2018年3月 株式会社ABC システム部 部署員
2018年4月〜現在 株式会社XYZアドバイザリー 税務コンサルタント
【資格・免許】
2015年12月 税理士試験 簿記論 合格
2017年6月 税理士試験 法人税法 合格
普通自動車免許(2010年3月取得)
【自己PR】
税理士試験の簿記論、法人税法の科目に合格し、会計及び税法に関する専門知識を有しています。特に、法人税法では、最新の税制改正にも積極的に対応し、常に最新の情報を習得しています。前職では、税務申告業務のサポートを通じて、多くの企業の税務計画に貢献しました。税理士としての資格取得を目指し、今後も専門知識のさらなる向上と実務経験の積み重ねを通じて、税務アドバイザリー業務に貢献していきたいと考えています。
【志望動機】
御社は、幅広い業界に対する税務アドバイザリー業務を手がけており、特に国際税務において高い評価を受けていると認識しています。私は、税理士試験の科目合格を基盤に、これまで培ってきた専門知識と実務経験を活かし、より複雑で幅広い税務課題に挑戦していきたいと考えています。御社での経験を通じて、税務アドバイザーとしての専門性をさらに高め、お客様にとって最適なソリューションを提供できるよう努めていきたいです。
税理士科目合格者の職務経歴書の書き方
職務経歴書は、これまでの仕事の経験やスキルを詳細に記述する書類です。
税理士試験の科目に合格している方は、職務経歴書をさらに魅力的にすることができます。
ここでは、税理士科目合格者が職務経歴書をどのように書くべきか、ポイントを解説します。
職務経歴
職務経歴の部分では、これまで勤務してきた会社名、勤務期間、担当した業務内容を具体的に記述します。
税理士試験の科目合格者であれば、その知識を活かした業務経験がある場合は特に詳しく書きましょう。
例えば「法人税法の知識を活かし、顧客の税務申告をサポートし、平均20%の節税に貢献しました」といった実績を記載することで、能力を具体的に伝えることができます。
資格・専門知識
資格・専門知識欄に、税理士試験科目に合格していることを記載します。
また、科目合格以外にも、これまでのキャリアにおける技術的能力や専門的な知識を示す重要な部分です。
例えば、会計システム開発におけるプログラミングスキル(Java、SQL)など、具体的な使用ツールを挙げることで、技術的な能力を示すことができます。
サンプル
以下のサンプルは、職務経歴書の一例です。
【職務経歴概要】
私は、経済学部を卒業後、システム開発会社と税務コンサルティング会社で合計10年以上の勤務経験があります。この間、税理士試験の簿記論と法人税法の科目に合格し、会計および税法に関する専門知識を深めました。特に、税務コンサルティング会社での勤務では、顧客企業の税務申告支援や税務計画の立案など、税務アドバイザリー業務全般に携わってきました。
【職務経歴詳細】
1.株式会社ABC(2012年4月 - 2018年3月)
職位:システム部 部署員
業務内容:
企業向け会計システムの開発におけるプロジェクトメンバーとして参加
顧客の要望に応じたカスタマイズ機能の提案と実装
月次・年次決算処理の自動化ツール開発に貢献し、顧客の業務効率化をサポート
2.株式会社XYZアドバイザリー(2018年4月 - 現在)
職位:税務コンサルタント
業務内容:
顧客企業の税務申告書の作成支援および税務相談対応
法人税法および簿記論の知識を活かした税務計画の立案と提案
税務リスクのヘッジ戦略の策定および税務監査対応補助
定期的な税法改正の情報更新と顧客へのアドバイザリー業務
【資格・専門知識】
税理士試験 簿記論・法人税法 合格
会計システム開発におけるプログラミングスキル(Java、SQL)
顧客とのコミュニケーションおよびプレゼンテーション能力
税務申告プロセスの最適化と税務リスク管理
まとめ
税理士試験の科目合格は、専門性と努力の証明です。
本記事のポイントを押さえることで、理想の職場を見つける一歩となります。
自分自身の価値を最大限に引き出し、次のステップへと進んでいきましょう。